DAF東京 2004

HAPPENINGText: Yuki Ishida

次は、鈴木康広の作品「ファスナーの船」。海面を進む船とその後ろに広がる波形がファスナーに見えたことから発想した作品。会場では映像でのみ、その様子が見られたが、ぜひ実物大の船で見てみたい。

一見なんだかよくわからない作品、shigendの「音カン」。中に声や音を吹き込んでふたを閉じると、つぎにふたを開けるまで音をしまっておくことができるというもの。音を閉じ込めたカンにそっと耳を当ててみると、音がくりかえし聞こえてくる。

「どんぴか〜分ける火種〜」(どんぴかプロジェクト)は、小さな竹篭に包まれた、音に反応して光る火種をほかに伝えていくことができるという、なんだかあったかい気持ちになる作品。元は「花火の音で火が灯る」のをイメージして作られた作品で、学園祭で販売してみたところ速攻で売り切れたとのこと。今回は商品化が前提となる「タカラ賞」を受賞。いつか花火大会の会場で、みんながどんぴかを手に火を灯し合うシーンが見られるかもしれない。

最後に紹介するのは、福森みかの「音点字」。視覚・聴覚・触覚を使って、目の見える人に点字への興味を喚起させることを目的とした作品。たとえば、「ア」という文字を表す点字のとおりにクリアブロックをはめ込むと、「ア」という音とともに赤く光る。母音ごとに色が決まっているなどの工夫が凝らされ、知らず知らずのうちに、体系的に点字の仕組みを理解できるようになりそうだ。知育玩具として、より広く使われることを期待したいところ。

全てを紹介することはできないし、実際に触れてみて感じたあの気持ちは、文章と写真でどこまで伝えられるかわからないけれど、どこかでガジェットに触れられる機会があったら、遠巻きに見ているだけじゃなくてとにかく遊んでみるのがオススメ!

デジタル・アート・フェスティバル東京 2004
会期:2004年7月23日〜27日
会場:東京有明 パナソニックセンター
住所:東京都江東区有明3丁目5−1
TEL:03-3599-2600
https://www.daf-tokyo.jp

Text: Yuki Ishida
Photos: Yuki Ishida

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