クォアランティーン・シリーズ

PLACEText: Ania Markham

これまで QS にフィーチャーされたアーティストは、ジャン・クリステンセン、アラン・デクラーク、プラメン・デジャノフ、ボレ・セスレ、ライク・ア・ティム、プランニングトロックなどがいる。

インタビューをした日はちょうど、日本人アーティスト、山出淳也の展覧会最終日だった。イラストレーターの大石暁規が参加した興味深いプロジェクトで、このスペースがカフェであることを改めて気づかされるものだった。その空間へ足を踏み入れると、彼らの作品は「遊んで」と私に呼び掛けているかのように見える。作品のコンセプトは、「見る人に参加してもらうこと」。また、絵はこの建物のあるエリアの歴史と深く関連している。彼はこれを見る人それぞれの創造力を引き出し、歴史に対する自分達の考えを表現してほしいと考えたようだ。

ニナの眼差しはひたむきに、 QSの持つスタイルと展示する作品の内容へと向けられている。 QSは一つのブランドとして、自身のスタイルとビジョンを持っており、ロゴやその他の制限はなく、アイデンティティやプレスリリース、招待状はそれぞれが異なるユニークなものとなっている。グラフィックデザイナーのルナ・マウラーが、オランダを率いるタイポグラファーによるフォントを使用してデザインした招待状は、すぐに QS のものだと分かるものだった。ウェブサイトもユニークで、1日1日が全て異なる色で分けられており、その日に何が行なわれるのかが記されている。

これからの予定を尋ねると、 SKL6のスペースを国際的なグループショーを行なう為に利用していきたいとのこと。また、市立博物館にできた新しいスペースでのイベントの開催や、QSの招待状を一つにまとめたものを出版しようとかいう計画も持ち上がっているようだ。他には、国際的に大きなアートイベントで、時事的なドキュメンタリーを制作しており、昨年のヴェネツィア・ビエンナーレでの成功に引き続き、次回も参加を予定している。次なる目標は、オランダのテレビ局で放送されることだという。6月には、オープン・オフィス・プロジェクトと題する展覧会を控え、そこでは QS の12ヶ月を振り返る。

Quarantine Series
住所:375 Rietlandpark, 1019 EM Amsterdam
TEL:+31 (0)20 419 3851
https://www.quarantine.nl

Text: Ania Markham
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Mark Visser

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