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マイケル・デ・フェオ

PEOPLEText: Ania Markham

ストリートアートシーンはどうでしょうか?アメリカと何か違いを感じますか?あなたのルーツは、ヒップホップやグラフィティですか?

僕のルーツはヒッピホップでも、スケートボードでありません。僕自身はあまり、そういう特定のカテゴリーや影響を受けていないと思います。ただ、ヒップホップやスケートボードと、ストリートアートは確かにリンクしていると思います。明らかに、沢山のグラフィティが同じようなルーツを持っているのは分かりますが、ここアメリカで僕の知っているストリートアーティストみんなが、そうだとは言えないと思います。年齢も大きく関係してくると思います。特に反逆的な若者世代となると…。それは、大企業が、若者をターゲットに、ストリートアートのイメージで商品を展開するという事実にも現れています。例えば、自動車メーカーの日産は最近、ニューヨークでウィートペースト(※)のようなイメージをポスターに使っています。これは、明らかに若い世代の顧客を取り込む事を視野に入れていますよね。
※グラフィティのように、直接壁に描くのではなく、紙に描いたものをストリートに貼る。小麦粉から作られる接着剤を使うので、こう呼ばれる。

一番好きな表現手段は何ですか?

どんなものでも表現するのは好きですが、もし選ばなくてはいけないとすれば、ドローイングとペインティングです。ステンシルは、もう何年もストリートではしていません。今は、自分のスタジオで作るウィートペースティングのほうが好きです。直接壁に描くよりも、天気に影響されやすく、ぼろぼろになりやすいという点が好きです。その、ほんの短い間しかもたないというところが、一番好きなのです。どこかに貼付けて、それがそこからはがれて、1日後、そして1年後、いろいろなところに移動するかもしれない。この良さは、特に僕の花のプロジェクトにぴったり合っていると思うのです。本物の花も、芽がでて、花が咲き、そして枯れる。そしてまた別のどこかで、芽生える。

自分の作品を、どこへ行くかも、どのくらい存在するのかも分からないまま、ストリートに貼るのは寂しくはありませんか?自宅の壁には、作品を貼っているのですか?

紙に描いたものをただ、ストリートに貼付けているだけです。そんなに執着はありません。逆に、ストリートにある方が、作品は生命を持ち、呼吸を始めると思っているので、満足感があります。ストリートに作品があることによって、屋内にある作品とは全く違うアプローチを、見る人にすることができます。ストリートでは、見る人は何の期待も持っていません。ホームレス、配達の人、道路工事の労働者、ショップのオーナー、ドラッグのディーラー、弁護士など、誰でも、その作品と出会う可能性があるので、遊び心が掻き立てられます。僕の作品を剥がそうとする人もいるようです。破かずに剥がすことに成功した人が、何人か教えてくれました。大抵は、その作品を見れば、それを剥がそうとしたということがすぐにわかります。家では、数枚ではありますが、常に作品を飾っています。スタジオの外で作品を見た時に、それを客観的に評価できるように、自宅には新作を置くようにしています。そして、よく1枚か2枚は、また家に持ち帰って、作り直します。

ドル紙幣に花のデザインを施したことがあるそうですね。ユーロに、“花を咲かせよう”と思った事はないですか?

2年前、ユーロ札の束に、花のデザインをスタンプしました。その頃、ユーロは市場に出たばかりだったので、すぐに人はその花に気付きました。その紙幣は、店で偽札だと思われ、使うのは大変難しかったようです。ユーロ札はカラフルだから、気付かれないかなと思ったのですが。

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