ゲイビー・マンガーノ

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

これからの活動予定は?

『僕らの次の舞台は、「ライズ・オブ・トレードマーク」というタイトルで、今までトレードマークというものには無縁だった僕自身を語るストーリーです。』

彼は、あたかも普通のことのように、テレビへの深い執着を話す。しかしそれは決して普通とは呼べないものだ。数年、テレビやコンピューターの前にずっといることが続いたために、外の光がだめになってしまったらしい。それでもなお、彼は画面から離れようとはしない。終わりのない戦いを続けるゲイビーは、トレードマークとその革命の間でもがき続けるが、事実から目を背け、未知なる戦いに挑むのだ。

『ビデオクリップでは、反逆的な表現をしているところもあると思います。もちろんリスクはあるけれど、やらなくてはいけない。そうしたいと思うし、それが意味深いことかどうかというのは関係なく、僕の考えている事、見ているものをストレートに表現したいと思っています。』

コンセプトはどのようなものなのでしょう?

『僕自身のストーリーを語りながら、誰もが持つ共通点を模索します。そこにコンセプトがあるのかは自分でもわかりません。僕は矛盾だらけの性格で、それが音楽にも反映されています。昨日好きだったものが、今日は好きじゃない。デュアルフォニックは、ある意味、そういう性質が根本にあります。』

今、あなたにとって最も大切なものとは?

『音楽を作り、自分で作った曲を聞いて楽しむこと。それが一番僕にとっての大切な事です。彼女や友達と一緒にいるときでも、家に帰って音楽を作りたくなる衝動に駆られることがあります。』

なぜ、舞台では、ステージから直接観客に語りかけず、ステージから離れているのですか?

『本に書かれた物語のように、ショーを見ている人達が、あたかも自分で読み進めているかのような感覚を提供したいと思っているからです。』

どのようなタイプの観客が多いですか?

『僕らのショーは控えめで知的な方に向いていると思うのですが、実際は、はっきりした傾向はなく、僕の性格みたいに入り交じっています。』

そう話して、彼はまるで子供のような笑顔を見せ、小さな薄暗い部屋で曲を作り始めた。まるで少年のなかにアーティストが宿っているような感じがし、とても魅力的に見えた。私が静かに立ち去った後も、彼は夢中でストーリーを作り続けるのだろう。

Symphonic Dualphonic
日時:2003年11月22日
会場:Astor Piazzolla Auditorium, Centro Cultural Borges
住所:Viamonte Street and San Martin Street, Buenos Aires
TEL:+54 5555 5449
http://www.dualphonic.com.ar

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Gisella Lifchitz

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