CQ 展

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

そして店内にも「にょろ」がいっぱい。それら一つ一つが小さな世界を内包していることを思うとワクワクしてくる。

店内の展示は、一階のカフェと二階のギャラリーに分かれていて、一回では通常営業中のカフェ空間に「にょろ」が、そのままディスプレイされている。覗いている隣では、普通にお茶を飲んだり食事をしていたりするのを思うと、より一層覗くという行為が、特別なものになって行くような気がした。

印象的な映像だったのは、プレフューズ73のPVや今年のレスフェストにも参加しているエド・ホールズワースの作品。目まぐるしく移り変わる都市の風景と自然の風景の二編は、同じ手法を用いても織り交ぜる情報によってまるで印象が変わるということを教えてくれた。

もう一方興味深い作品だったのは、二階にあった「にょろ」二匹。「ポエトリー」と名付けられた作品群は、歌人の枡野浩一が短歌を提供し、それを映像作家たちが映像化とするいう試み。こちらの作品は、CQウェブサイトでも見ることができるので是非チェックしてほしい。

全体を通して一つ一つの作品は、1分位と短いものだったが、それぞれ個性のある映像世界を作り出していた。今回のレスフェストのアイデンティティーは、ロボットの赤ちゃんだったが、ジョニー・ハードスタッフ本人によるとクリエイターが生み出す作品は、赤ちゃんのようなものだといっていた。そう考えると小さなディスプレイに映し出される映像は、テクノロジーの発展によるモバイルツールの進化が、新しいエンターテイメントとして生み出した、未来の赤ちゃんなのではないだろうか。

本展は、この後、大阪(12月4日〜9日ディグミーアウト・カフェ)、福岡(12月11日〜16日オクタ・ホテル他)に巡回されるのでお近くの方は是非チェックしてみてほしい。

参加クリエイター:ナンド・コスタ(ブラジル)、ステファン・ナーデルマン(ニューヨーク)、フリースタイル・コレクティブ(ニューヨーク)、グラフィック・ハヴォック(ロサンゼルス)、ローガン(ロサンゼルス)、ブランビー・ボイルストン(ロサンゼルス)、エド・ホールズワース(イギリス)、ステイト(イギリス)、カーブ(イギリス)、モスデザインユニット(日本)、遠山敦(日本)、若野桂(日本)

CQ 展覧会
会期:2003年11月20日〜25日
会場:EX’REALM
住所:東京都渋谷区神宮前1-12-6
TEL:03-3406-8835(株式会社ニューズベース)
主催:Panasonic
https://cq.panasonic.jp

Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Yasuharu Motomiya

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