ヴィクトリア・ケルン「カラースペース」

HAPPENINGText: Christina Merl

ヴィクトリア・ケルンの、空間を創造するという手法は、光と影、そしてオーディエンスのコミュニケーションを実現している。そういう意味で、この作品はあらゆる壁を超えているのだ。彼女自身では、その相互作用をコントロールすることはできないが。


Color Space 203, Nora with Simon, Vienna, 2003

去年のクリスマスシーズンに、ヴィクトリア・ケルンは、ヴァリエ・エクスポルトによってデザインされたガラスの立方体、「トランスパレンテ・ラウム」で、彼女の最新の「無形アートスペース」展を開催した。有形の建築空間と無形の色空間は、相互に影響し合い、都市風景を変化させた。このカラースペースに、足を踏み入れた通行人は、多色彩の動く光のオブジェクトとしてこの空間にダイレクトに入り込み、現実空間へと色とりどりの影を投げかけた。

カラースペースとガラスの立方体という、2つの透ける素材が、誰も予期しないであろう環境下で、相互に働きあう。都会の忙しい雰囲気は、クリスマス前はさらに色濃くなる。『その動きは、漂う光のオブジェクト、あるいは、古典的建築物の、期間限定の装飾となる。』とヴィクトリアは語る。

そして今年、ヴィクトリア・ケルンは、同様のカラースペースをオーストリアの南側に位置する、クエンストラーハウス・クラーゲンフルトという場所で展示する。そこでは、光を反射させる透明なアルミ箔を使い、カラースペースを2つに分けるそうだ。

Victoria Coeln: Farbraumquadrat 2
会期:2003年11月7日〜12月6日
会場:Kuenstlerhaus Klagenfurt
住所:1 Goethpark, A-9020 Klagenfurt, Austria
TEL:+43 463 55383
http://www.victoriacoeln.at

Text: Christina Merl
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Courtesy of Kuenstlerhaus Klagenfurt © Victoria Coeln

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