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セミ・パーマネント 2003

HAPPENINGText: Nicola Stumpo

翌日は、完璧な旅行者となり、シドニー観光を楽しんだ。フェリーに乗って動物園に行き、コアラを見て、カンガルーと記念撮影。ビーチにも脚を運び、サーファーや海水浴客を見て楽しんだ。街中をくまなく見て回り、ほろ酔いになりながらホテルに返るという毎日。その日その時に出会ったばかりなのに、みんなが楽しい時間を過ごしている様子を眺めるのは、何だか不思議な気分だった。

展覧会初日の夜に会場に集まった人数は、なんと1700人。会場内でアンドリューを発見した時は、余りの人の多さに、酸欠で彼の顔が青白くなっていたほどだ。『すごい騒ぎになってるね』と言うと、『どうしよう、もうビールが足りないよ』と、アンドリュー。2500本以上のビールを用意したはずなのに、わずか20分でストックの底がついたというのだ!おしゃべりや、心地良いサウンドに乗ってダンスを楽しんだり、作品を鑑賞したり。そんな風にその日の夜は過ぎて行った。

シェパードが制作した壁画は、とても色鮮やかな作品。彼のポスターのコラージュが元になった作品で、制作方法としてはまず、慎重にポスターを破くことから開始。そうすることで「古めいた」印象を与えるのだ。シェーン&クロールの作品の色使いもまた、展覧会会場に新しい光を与えるものになっていた。シェーンはまた、その夜にとても楽しいサイン・セッションも開催。バンクシーの作品に何と書いたのかは、今だに意味不明だが、とても巧妙でおもしろいパフォーマンスだった。例えば動物園のオリの中でも、やろうと思えばどこでだって僕達はアートをすることができる。仕切りがとてもしっかりしていたので、そんなことを思わず考えてしまう程楽しい夜だった。唯一残念だったのは、その夜に集まった人の多くが壁に様々な汚れを残して行ったことだ。そのために、翌日、DIKのメンバーが掃除に大変な時間を費やしたことをここに記しておこう。

実はその夜、僕は翌日のカンファレンスの事を考えると緊張してしまい、なかなか眠ることができなかった。朝食をたっぷりとって、午前中に会場入り。かなり早い時間に会場に着いたのだが、既に入り口には沢山の人たちが集まっているのが見えた。おそらく1000人はいたのではないだろうか。長蛇の列にもかかわらず、チケットを入手するために並ぶお客さんは皆笑顔。それを見ると、僕の不安は加速をつけて高まった。会場はかなり広く、きれいで整然としており、リラックスしたり、飲食をできる施設も整っている。DIKはすごい所を用意してくれたな、と僕は心の中でつぶやいた。

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