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ライアン・マクギネス展「まるで本物のような夢」

HAPPENINGText: Taka Kawachi

デザイナーの経験や背景からファインアートの作品を作るのは、どういった良い面があるのでしょうか?

見直して、再検討して、最終的に仕上げるための解決法を多く展開する前に、スケッチを何度も繰り返すように、僕の作品はプロセス重視なんだよね。僕が主に心がけているデザインの基本は、構成、線、形、そして色。これらの項目は、明確で直接的なビジュアル・コミュニケーションが目標とされるデザインの背景や教育から生まれるんだ。いろいろな意味で、このアプローチは、インスピレーションをキャンバスに描きなぐる神話的な芸術家の英雄とは正反対だろうね。

あなたは、Tシャツやスケートボードのデザイン、グッズといった商品がきっかけで名前が広まったアーティストたちの中の一人だと思いますか?

そうかもしれないね。自分ではよく分からないけど。もしかすると、従来のアートの世界以外の人たちから認められたのかもしれないね。

あなたは今でも沢山の商品を作っていますが、こういった物を作る楽しみとは何でしょう? 今まで作った商品の中で一番気に入っている物は何ですか? そしてその理由は?

長い間全てに影響されて生きてきた今、僕の人生を取り囲む物を作ることができるということは、とても権限のあることだと思う。というのは、課せられたモノカルチャーを受け入れる罠に陥ることなく、自分たちのために物を作るように人々を強要させる現状否定でもあるんだ。僕が今まで作った中で気に入っている商品は、スケートボーディングとデザインという僕自身を形成し、特徴づけた強い文化背景と結び付いている、「Supreme」のパントン柄のスケートボード・デッキ。僕が育った白人キッズの波乗り文化を反映した「The Beer Cozies」。本の形も気に入ってて、初めてインクの重ね刷りを試すことができた「Pieceofmind」の本。でも本当は、多くの期待をもった現在制作中の物が、僕の一番のお気に入りなんだ。

東京の展覧会の他に、何か準備しているものはありますか?

此処、ニューヨークのピリンテド・マターで開催される個展とパーティーの準備中だよ。本、DVD、カレンダー、キャンバス・バッグ、Tシャツ、カップといった新商品を発表するんだ。それから 12月に「ダイチ」で開催するグループ展と、2月にロサンゼルスのブラック・マーケット・ギャラリーで開催する個展の準備に追われてるよ。2月には新しいTシャツのラインアップも出るしね。そして来春には「Flatnessisgod」の続編となる「FlatnessisgodREDUX」も出版される。長期間のプロジェクトでは、3年間かけて「Selfsameness」という本や、「Pieceofmind」の続編となる「Installationview」という本を制作しているんだ。

Ryan McGinness “THIS DREAM IS SO LIFE-LIKE”
会期:2002年12月18日(水)~2003年1月26日(日)
時間:12:00~20:00
会場:GAS SHOP
住所:東京都目黒区青葉台1-28-14
TEL:03-5721-0233
http://www.gasweb.jp

Text: Taka Kawachi
Translation: Junko Tozaki
Photos: Taka Kawachi

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