ボゼン・ボルツァーノ自由大学

PLACEText: Loredana Mascheroni

「デザインはスタジオで、そしてそれを組み立てるのはワークショップで。」これは、新設されたデザイン科のコンセプトを、簡単にまとめ、モットー化したもの。主に2課目を集中して学べる3年間コースこのデザイン科は、ボゼン・ボルツァーノ自由大学にこの10月7日に新設された、芸術デザイン学部の学科。北欧のデザイン学校の実践的なアプローチと、伝統的なイタリアの大学の古典的かつ理論的なアプローチを組み合わせることを目的とした、ヨーロッパのレベルでは革新的なプロジェクトを行っているコースだ。

このプロジェクトについて話す時、クノ・プレイの存在ははずせない。デザイナーでもあり、大学教授でもある彼は、ウェイマーにあるバウハウスで9年間活動していた経験があり、この度この芸術デザイン学部の学部長になった。『その時々の時代に対応したプロフェッショナルを育成したいというのが目的です。つまりそれは、デザインをビジュアルコミュニケーションに至るまで行え、デジタルテクノロジーの需要に対応できるバーチャル的、革新的、そして環境に優しい素材に精通した実践的な多分野性を培うことです。』と語ってくれた。

この目的を中心として、伝統的な教育と実践教育に更に新しい試みを加え、大人数のクラスではなく、20人以下のグループで、しかも学年が違う生徒達を混ぜ合わせて活動を行うのがこのコースの特徴だ。入学手続きもまたユニークで、入学希望者が直接教授陣と学校に触れる機会を設け、彼らのクリエイティブ性や好奇心を刺激しグループで活動するという意欲を沸き立たせている。90名の入学希望者が9月に行われたワークショップに参加(実際、応募数は125名にまで及んだ)。そのうちの55名が、デザイン学校出身の生徒達と合流し、グループとして活動する。この3日間の「テスト」では、2つの小規模プロジェクトが課題としてだされた。グループとしては、デザインに関するカンファレンスを2つ開催すること。そしてもうひとつは個人面接だ。

それでは、このワークショップへの最低参加条件は何だろうか?高校卒業資格だけではなく、自己紹介ビデオ、2D、または3Dオブジェクトの評論的な分析を行い、少なくともニか国語を話せることが要求される。授業がイタリア語、英語、ドイツ語で行われることもあり、この言語に関する条件は必須なのだ。また、コース内でも外国語のレッスンは設けられており、現在勉強中の言語の上達だけではなく、新しく違う言語を学べるようにもなっている。もちろん、その言語のネイティブスピーカーによるレッスンが行われるのだ。言語を必須条件としたのは、教育現場においては意識的な決断だったと言えよう。母国語以外の言葉を取得することで、生徒達は国際的なマーケットでも対応することができ、プロとしての可能性が促進されるのだ。

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