アルス・エレクトロニカ 2002

HAPPENINGText: Simon Scheiber

アルス・エレクトロニカ・センター同様、OKセンターも人気があったスポットのひとつ。ここは、総金ニッケルカドミウムでできたショールームで、プリックス・アルス・エレクトロニカの受賞者を紹介していた。

ドイツのアーティストグループ///////// fur ////による「ペインステーション」は、大笑いできる作品。ブレイクアウトで遊ぶ時に使われるアーケードゲームのコンソールが使用されており、間違えると軽い電気ショックを受けたり、ヒーティングセンサーが作動することで、手に火傷を負ってしまう仕組みになっている。

美的なコンセプトのコンビネーションと、デジタル・イメージ・プロセッシングテクノロジーを扱ったプロジェクト「ボディ・ブラシ」は、リアルタイムで人間の動きが色と形と共にデジタル3Dに転換されるというもの。インターフェイスのお陰で、ユーザーが直観的にマシーンにインタラクトできるのだ。

また水口哲也のゲーム、「REZ」にも高い評価が集まった。これは、プレイヤーをトランスの未来へと導く“エンドルフィン”マシンだ。 REZをプレイしたことがある人既に御存じのことと思うが、このゲームでは、プレイヤーが、うねる形、色、動き、音の魅力を体験することができる。

クラシックから最新テクノまでパーティ会場では、連日様々な音楽演奏が行われ、退屈になることなどまったくなかった。セネガルから来たBMG44や、ピー・ロイスのアフリカン・ヒップ・ホップもとても楽しめた。

全体的に今年のアルス・エレクトロニカは良いものではあったが、来年はもっと多くの人が参加してくれればいいのではないかと思う。人が集まれば集まるほど、それだけディスカッションやコミュニケーションの場が増えるというものだ。そしてこれこそ、アルス・エレクトロニカの更なる成功への秘訣なのである。

Ars Electronica 2002
会期:2002年9月7日〜12日
会場:Linz, Austria
https://www.aec.at

Text: Simon Scheiber
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Simon Scheiber

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