ミヤタケイコ

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

9月からソーソーカフェで開催される「IN&OUT展」について教えて下さい。

最初に動物園でキリンをみて なんて不自由なんだろうと思ったのがきっかけです。それに四国で見た見事な枝振りのウネウネした松の木とダブリ、空の高さも感じたかった。他にもいろいろミックスしているけど形的にはそんな感じですね。「ブラック・ボックス」は飛行機のボイスレコーダーから名を取り、何もなかったところから出てくる真実 → 外へ!「レッド・ボックス」はその反対で、あるものを隠蔽していく → 内へ!といったものになっています。

プラス今も続けて撮影中の旅と共に増えていくトラベリングシリーズの写真は現実の場所を撮ったもので合成ではないが、コピーをかけることによって、線や粒の集まりになり、どんどん現実から遠のいて非現実のようにぼんやりとしたものに変化していく。外から内へ展示から観客の記憶に変わっていくけどまたそれを思い出して語る時がくること希望。世の中は廻っている。

その「ブラック・ボックス」「レッド・ボックス」は、かなり大きな作品ですが、作品の大小問わず、制作の段階では具体的にどのようなステップを踏まれるのでしょうか?

絵を描いたり考えている時間が異常に長くて、なんとなく降りてくるような感じ。頭の中にスロットマシンがあって、毎日ボタンを押している感じでもある。小さいものだと即興で作ってしまう場合もあり、それも意外性とかあって捨てがたい。

制作は彫刻と一緒で、小さい見本を作って、計算して拡大していきます。大きいものだと、イージーに作ると形にはっきり出てしまうので、バランスを見つつ構造、材料を考えていきます。制作にはいると工作的考えになるので、考えているときの感覚とちょっと違うような気がします。

今回は、「ニッポニア・エレクトロニカ」主宰の音楽家・浜里堅太郎が本展覧会に参加するなど、その他にもCDジャケットの制作等、他のアーティストの方達とのコラボレーションも多く手掛けていらっしゃいますね。単独としてではなく、全く違ったテイストの作品ととミヤタさんの作品がミックスされることについてどう思われますか?

あまり人と一緒にやったことがなかったので、たまにはやってみようかなと思って。ハマサトさんとも以前から作っている曲が気になっていて、今年は絶対やろうということで実現できてうれしいです。私とデザイナーのナトリヒロコさんと3人で個展限定のブックレットCDを制作しました。やりとりが部活動のようでおもしろかった。

単独で行うのはとても自由で融通の利くことなんだけど、たまに異業種の人とコラボをするのは楽しくツライ。けれど、新たな発見も多くて興味深かったりもする。やらないよりはやったほうが良い。直感を信じつつやってみたりもする。まあ人生出会いも結構大事。

会場にいらしたお客さんには、どのようにこの展覧会を楽しんでほしいですか?

こんな物体たちがこのお店にいることはかなりオカシイ事なので、まあゆっくりくつろいでいって下さい。

これからの活動予定について教えて下さい。

近いところでは、9月27日から10月6日まで東京の小山登美夫ギャラリーというところで「寿限無展」というグループ展に出品します。あとは未定です。

ミヤタケイコ「IN & OUT」展
会期:2002年9月2日~21日
会場:SOSO CAFE
住所:札幌市中央区南1条西13丁目 三誠ビル1F
入場無料
TEL:011-280-2240
協力:ART BY XEROX
http://www.shift.jp.org/soso/

Text: Sachiko Kurashina

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