アーバン・ディシプリン展 2002

HAPPENINGText: Andrew Sinn

私のもう一つのお気に入りは、バンクシーの作品だ。彼のグラフィティ作品では、あらかじめ用意されてあるステンシルが使われている。街中に彼のアイディアを広めるには、これは完璧な方法のように思われる。この強くて、刺激的で、そしてオリジナルな彼のモチベーションは、とても良いと私は思う。


本展では、血のようにも見える赤い色を床や壁にまき散らしたバンクシー。その上に白で死体のアウトラインを描き、その内のひとつは、かぎ十字(ドイツではかなりセンシティブなものとして認識されているナチスドイツの国章)でデコレーションされているものがあったり、はたまたナイキのマークでデコレーションされているものもあった。かなり笑ったのは、牛にライティングした作品だ!

「A LOGO AS A NAME」という作品は、オリバー・スタックスのグラフィティアートの全てを語っていると言えよう。彼自身の名前の替わりにロゴを使用するというアイディアの作品だ。


テクニック的に印象的な作品を制作したのはゼッズ。キャンバス上にシルクスクリーンのプリントを施す作品では、かなり激しい色が使われており、コンピューターグラフィックの精密さとの完璧性が組み合せによって、実際のプリントは見えなくなっている。彼のライティングは、東アジアのライティングとパッケージデザインに影響を受けているようだ。

これはサエックのペインティング。彼の作品の多くが、未来的でオーガニック的なオブジェを描いており、それらのオブジェは、宇宙ステーションか宇宙クラフトと昆虫の中間的なもののように見える。彼のスタイルがスプレー缶を使ったもののように思われるのは、基本となるオブジェのトップ部分に(細い)線を沢山使うからだろう。

ヴィアグラフィックというグループによる作品。彼等はゼッツ同様まだ学生だが、黒、赤、銀色でコンピューターグラフィックとシルクスクリーンを組み合わせた作品を多く制作している。

Urban Discipline 2002
会期:2002年6月26日〜7月2日
会場:Astra Hallen
住所:111 Bernhard-Nocht-Strase, 20359 Hamburg
contact@getting-up.org
http://www.urbandiscipline.de

Text: Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina

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