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ロンドン&ブライトン ガイド DVD

THINGSText: Sachiko Kurashina

作品を通してでしか知ることのできなかったクエイター達が、実際にカメラの前で話し、彼等のスタジオ、そして彼等の目線から見た街を私達もDVDを通して知ることができる点がとてもいいと思います。彼等と実際に街を歩いてみて感じたことを教えて下さい。何かイギリスのクリエイター特有の共通点等を発見することができましたか?

彼らと一緒に歩きながら、話ながら、時には食事をしながら撮影をするという行為は楽しいものでした。作品からだけでは伝わらない、彼らの日常的な側面をみることができました。クリエイター達は誰もが親切に案内をしてくれましたし、協力してくれました。なかでもグラハム・ウッドが少し照れながらもトマトビルを案内してくれたのは貴重な体験です。DVDのなかでその感じが伝わるといいのですが。

ただのタウンガイドDVDではないな、と思ったのは、アートテイストたっぷりの映像にどんどん惹き付けられている、と気付いた時でした。特に編集、アートディレクションは斬新でしたが、どなたが手掛けたのでしょう?またどのように映像編集は行われましたか?

内容は3つのパートに分かれているのですが、「トマト」のパートをパワーグラフィックス、そして残りの2つのパート「レッド・デザイン」「BEN SANSBURY」を、a/oが担当してくれました。どちらのチームも若手で今最も気になる映像クリエイター達です。基本的にはパートごとに自由に映像編集・ディレクションをお願いし、私の方で途中段階で映像や構成を数回チェックしながら進めていきました。といってもどちらのチームも毎回面白いものをつくってきてくれたので、修正はほとんどなかったですけど。レッド・デザインのパートについては15本以上(15時間以上)もあるミニDVテープの中からどこをセレクトするのかというのだけでも大変な作業でした。

テレビとは違う手法、オンエアを前提としないDVDのようなものでしかできない方法論というものもあります。低予算で、DVカメラ1台(時には2台)だけを使って撮影する。ピンマイクやガンマイクなども今回は使用していません。スタッフもカメラマンと私、そして通訳がいるくらいです。

グラフィカル的なアプローチは、時にはその粗い映像や音をごまかすために使っているところもあります。でもそれはグラフィックの付加価値が映像にデザインとして機能しているという証拠ではないかと思います。そこがこのDVDの狙いでもあったのですが。ハイクオリティの映像やサウンドがあれば、ある程度のドキュメンタリーをつくることは簡単だと思うのです。でもそうではないところでグラフィック処理があることで映像の面白さ、楽しさを表現することができるのではないかと思いました。

制作にあたり苦労した点、良かった点など教えてください。

まだまだ未完成な部分があるのですが、今までにないDVDになったのではないかと思います。グラフィカルな処理も他ではあまり見ないものだと思いますし。でも、映像は消化されるスピードが早いので、常に毎回違う表現方法、違うアプローチを探し続けていくことがこれから大変だと思います。

最後に今後の予定などお願いします。

現在はこの続編「PARIS GUIDE DVD」を制作中です。今度はできれば一緒に「PARIS GUIDE BOOK」もつくりたいのですが。

私個人としては今後は映像+グラフィックといったプロジェクトを展開していきたいです。いまのところは印刷物とDVDというメディアをうまく使い分けて、あるいは組み合わせて新しい表現ができるのではないかと思っています。新雑誌も現在準備中なのですが、それも単なるクリエイターを紹介するだけではない新しい切り口のものにする予定です。また秋に向けて少し大きなプロジェクトが動いているので、それも楽しみにしてください。


London and Brighton Guide DVD
仕様:68分、NTSC/Regional code is ALL
価格:3,900円 (税別)
制作:Newsbase, inc

Text: Sachiko Kurashina

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