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コッシュ・サロン

PLACEText: Daniel Goddemeyer, Andrew Sinn

常連客になってまず不思議に思ったことは、彼女がどうやってユニークかつ多種に及ぶ素晴しい料理を作っているのか、ということである。背後にどんなコンセプトがあるのかは、私たちは知る由もないのだが、一つだけわかったこと。それは彼女曰く『いつもあらゆる食材を用意していること。ベジタリアン料理、肉、魚、サラダ、スープ。何でも。』だからだそうだ。週の始めにはミーティングを設けて、この1週間でどのような食材を使いたいかを決めるという。そして毎朝、テルセがその日は誰が調理のリーダーであるかをコックに告げるのである。同時に、買っておいた食材で何を作るのかが決められる。『ドイツのTVの料理勝負番組に似ているのだけれども、フードについて意見を交わし、どのように調理するのがベストか、メニューがパーフェクトなものになるまで徹底的に話します』と、彼女は言う。

素晴しい料理を作り出す為の重要な役割の一部として、国籍の違うコックが一緒に調理をすることがある。『みんなでフライパンを回して、まるでDJのようです』と彼女が言うのは『DJがレコードをまわすように、その週に使う食材を使った最高のミックスを作り出したいから』だそうだ。テルセの料理哲学において、毎週同じ料理をメニューに載せないことは重要な鍵の一つである。

同じ料理がメニューに載らないといっても、週に一度だけ違う日がある。それは毎週月曜日の夜、お客さんが好きな料理を紙に書いて投票する「料理くじ」が行われるのだ。紙が収集されると、みんなの賛成が得られる好きな料理が出るまでくじは引かれる。そして、スペインの伝統に添って、料理が棒の上に載せられてサービスされる火曜日の「ピンチョス・デー」、そして水曜日のドイツ料理が再現される「ホーム・クッキング」。木曜日は「エレクトロ・ナイト」。セント・パウリとの共催で地元のDJがレコードを回すのである。金曜日も音楽と料理が融合する「パワーウーマン・デイ」でもあるのだが、男性のDJももちろん歓迎である。しかしながら、コッシュサロンでもっとも興味深い面白い日、といえば土曜日だろう。2大シェフが火花を散らす「料理対決」が行われるからだ。このユニークなコンセプトから生まれるいくつかのコンビネーションは、例えばピーナッツソースとベーコンが添えられたオーストリアの蒸し肉団子等。その他にも週毎にアートのオープニングも行われていて、「美味しいラテンの日」はラテン・アメリカの料理がメインの日となる。

もうおわかりのように、このようにコッシュサロンではいろいろなイベントが行われている。私の意見として、グルメな料理とリラックス、ゆったりした雰囲気の間にあるギャップに近付く、というコンセプトは完璧に的を得たものだ。そしてここで食事をすることは、最高の楽しみなのである。

Kochsalon
住所:Bernhard-Nocht-Str 95, Hamburg, German
info@kochsalon.de
http://www.kochsalon.de

Text: Daniel Goddemeyer, Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina

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