イシ・ラ・リュンヌ

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

「LE SITE DE L’ATELIER」という、ウェブデザインにおける日本の影響についてのカンファレンスが開催されましたね。ディレクターという立場で参加されましたが、日本とフランスの間の相違点などを感じましたか?

フランスと日本のウェブ・エージェンシーには、共通した革新とクリエイションの可能性があると思います。ですが、ケンゾー、モエ、ポメリー、ディオール、サロモンといったフランスの高級ブランドのウェブサイトでは、クリエイティビティーを感じるのですが、日本のブランドのサイトでは、それが感じられない気がします。きっとこれは、その国によって制約するものが違うからでしょうね。

フランスにとって日本の影響力は強いのでしょうか?

はい。漫画やアニメにとっては、必要不可欠なものだと思います。と言うのも、この2つは、15年以上にも渡ってフランスの若者を魅了し続けており、現在では、その彼等がフランスのウェブデザイナーになっているからです。私の場合は、テイ・トウワ、安藤忠雄、北野武、映画ゴジラやその他の映画、そしてキャプテン・ハーロックに影響を受けましたが・・。

日本の文化に精通されているようですが、日本の良いところ、悪いところは何だと思いますか?

私にとっては、とてもエキサイティングな国です。とても水準の高い現代性と伝統が、驚くようなかたちで共存していると思います。また、多くのクリエイションが共通した二元性を持っているようにも感じられ、これはとても面白いことだと思います。日本の良いところは、製品のサービスと刷新に対して、真剣な想いがある、ということです。悪いところは、観客が多い割には、十分なアクターがいないところです。

では、パリの良いところ、悪いところは何だとおもいますか?

東京に比べるととても小さな大都市だと思います。でもパリには、平和を感じたり、言葉にするのが難しいのですがパリジャン独特の雰囲気を楽しめる場所があります。多くの場所がカルチャーとアートに溢れており、様々な顔を持った街です。クリエイションには最も近い場所がパリだと思います。

フランス、パリについてお聞きします。ニューメディアシーンで注目すべき事、人はありますか?

本質的にパリ、ライル、ブルドー、マルセイユでは、ニューメディアシーンはアクティブです。活動は、ほとんど仲間内か、いくつかのウェブデザイナーグループですが、頻繁にあうことは滅多になく連絡を取り合う程度です。

今月のシフトのカバーについて、何をイメージし、どのように制作しましたか?

シフトの読者に新たな感動と、感覚を知ってもらう為に、ショックウェーブ8.5をカバー制作に使用しました。革新することは大好きです。

最近行っている活動と今後の活動予定について教えて下さい。

いくつかのコンペティションに向けて活動していますが、次のビックプロジェクトは、新しいイシ・ラ・リュンヌのサイト作りです。モエ・シャンドン、ルノー、その他のクライアントとも引き続き活動を共にして行く予定です。

最後に、シフトの読者にメッセージをお願いします。

私達はまだ、ウェブクリエイションが始まったばかりのスタート地点に居て、全てが現実になる、ということを信じ続けてほしいです。

ICI LA LUNE
住所:12 rue du mont thabor, 75001 Paris, France
TEL:+33-1-44 50 50 37
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Text: Sachiko Kurashina

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