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アルベルト・ザノーネ

PEOPLEText: Loredana Mascheron

ザノーネによる、3年前に始まった最新プロジェクトはファイバー・チベットだ。コレクションは、昨年10月が初めての開催となった。実際のプロダクション設立をとおして、チベット遊牧民のコミュニティーをサポートし、経済的成長を支援することを目的として、ニューヨークのロックフェラー・ファンデーションに関連するブリッジファンドのイニシアティブのおかげで生まれた。このプロジェクトは、チベットの台地で産出されたカシミヤとヤクの繊維のみを用いて、メンズ・ウィミンズのニットウェア、スカーフ、ショール、ホームアクセサリーなどの、シングルシーズンのコレクションを開催した。ファイバー・チベットの収益金は、チベット遊牧民コミュニティー支援のためのプログラム発展に役立てられる。


Alberto Zanone (right) inspects Yaks in the Tibetan Plateau

『ヤク自体の売り上げで、チベットの遊牧民達をかなり助けています。このプロジェクトのマネッジメントが中国政府にゆだねられているにせよ、ヤクの毛が伸びれば、チベット遊牧民はヤクのキロ当たりの値段を高く交渉することができます。財団の介在は、チベット民族によって管理する小さな組織にもあります。すでに、生状態の毛の扱い、初めの段階、選定と洗いの段階などの組織が作られました。この投資は、チベット民族の存在する場所に対してなされています。』

ヤクは、この土地にとって本当に大切な資源だ。「5000年以上も家畜として飼われたほ乳類で、今日も人々が生計を立ててゆくのに最も重要な手段となっている。食肉、日用品、糞からは燃料も採ることができます。一方、あまり質の良くない毛は、ラグやテントなど彼らの住まいづくりに使われる。


Tibetan yak

『このアメリカの財団は、私の毛糸に関する知識とそれまで完成させた生の糸を使った商品をみて、私を巻き込んだようです。その民族の最も重要な資源は、ヤクの毛で、チベットの台地にで育ったこの動物の95%は、これまで搾取の対象になっていません。』『実際、どのようなコントリビューションしているのですか?』『繊維の収集や、セレクションに対する、いろいろな場所にいる動物が、それぞれの特徴とクオリティを持っている、という批評を聞いてもらおうと、チベットにいってきました。ヤクの糸は短いので、100%ではないにしても、中国でされているようなポリエステルとの混合はされない。それでも、他の繊維(ウール)を20%まで減らすことにしました。現在中国で作られている糸の、もとはチベットからのものだ。今、私達は、糸の段階から商品を完成させるというところまできました。私達は、デザインのパートに取り組み、医療のコレクションを行うことができました。そして、中心的な存在にあるショップで世界的に販売されています。テキスタイルからデザインまで、共通しているのは「姿勢」です。クオリティを探究する人々から注目を浴びる、デザインの誠実なビジョン。私にとって、クオリティとは直観と作品の出会いを運ぶことのできる感情です。』と彼は説明する。

ファッションの世界ではとりわけ、見つけることの難しい材料…。イタリアのファッションでは、人々は商品やコミュニケーションに高品質のものを見い出す。イタリアで作られた衣料は、世界をリードするものと位置付けられ、世界的なレベルでの質が求められている。ある商品に関する限りでは、たぶん他の沢山の国で、素材や技量においては、同じくらい高品質のものが作られているだろう。イタリアンデザインで考えられるのは、質を保つということだ。それは、イタリアのデザイナーの作品とテキスタイルのクオリティが支えてきた。洋服の世界のビッグネームの多くが、外国人デザイナーをつかい、テキスタイル・カンパニーは中国、インド、東ヨーロッパといった国へと広がった。違いを生むのはデザインやコミュニケーションだ。

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