雲南

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“…BETWEEN…”「…之間…」で作られた作品は、雲南省の省都、昆明にあるカフェ・ギャラリー、上河會館で見ることが出来る。上河會館は 1940年代、地元の銀行家が私邸として華やかなコロニアル形式を以って建てた後、新中国を経て主を失い、老朽化の憂き目に遭っていたものを叶永青がプロデュースし、昨年1月にオープンしたプレイス。カフェの2階のギャラリーにそれは展示されている。


それぞれ、ベニスでも福岡でも見ることの無かった、ときにリラックスぶりを感じさせる作風がそこにあり、私自身驚きすら感じられた。特に、自画像を主に置いた作品を展開する岳敏君の作品の一つは、常に氏の作品は笑顔なのだが、満天の星の下、こちらがのりうつってしまう位の笑顔が描き込まれ、氏にとっての大理というものを誰にも感じさせてくれるようなものになっている。

思えば私が10年前、 初めて大理を訪れたとき、夜行バスのドライブイン(といっても山の中の煉瓦の小さな茶屋)で見上げた手を伸ばせば届く位の満天の星が今でも網膜に焼きつく感があるように、岳敏君にとってもその星とその許にある大理は北京とも他の外国の大都市とも異なるものを与えてくれたのであろう。そして、ニーマンは、混沌とした現代の様相の向こうにある希望として常に隔てなく輝き続けるミルキーウェーに想いを馳せる作品を創り続けている。

今回のプロジェクトの作品群だけでなく、上河會館には現在の中国の現代絵画で見逃すことの出来ないであろう作品を多数目にすることが出来る。

実をいうと上河會館も大理メコン河文化芸術中心も、全くインデペンデントな有限会社として運営されている。ニーマンはこう語る「会社にして自分の力で資金を運転することによって独立した活動が得られる」と。上河會館はカフェの収益で、そして、大理メコン河文化芸術中心は MCA というゲストハウスとカフェ、インターネット接続、それにギャラリーの収益で経営し、アートセンターとしての活動も実現している。

その事業もまた、アーティストであり、オーガナイザーとしてのセンスが光るもの。上河會館はお尻に根が付きそうな快適なカフェであり、雲南名物のとびきりのお茶とコーヒーを絶妙の入れ方で出してくれ、フードも山国雲南の幸をふんだんに活かした手軽なプレートを出してくれる。MCAは白族の町屋を活かしたバジェット感覚のある居心地のいい場所を与えてくれる。

その上で、これらの街を訪れるアーティストに国籍を問わず、滞在して活動が出来るワークスペースを提供している。

「大理で表現を求める人を歓迎し、場を提供し、そこから沢山のいいものが生まれて来て欲しい・・・」(ニーマン)

この夜、古城の中のラウンジで、つい昨日、北京から大理に辿り着いた女流画家に出会った。先にパートナーが仕切っているそのラウンジを拠点に、数年間、創作活動を続けるという。大理に来る前に絵を買ってくれたイギリス人に対して、お礼のメールを打ちながら、彼女は語る。「ここなら北京より落ち着いて創作に打ち込めると思う。遠くに来て不便なこと?それは無いと思う。もう来年にヨーロッパで個展を開く準備を行っているのだから。」

Inter art 21(ニーマンと叶永青によるアート・オーガニゼーション)

昆明へは:バンコクからタイ国際航空が毎日就航、1時間半ほどで到着。日本からは関西空港より週2便、JASが直行便を就航させている。中国は別途ビザが必要なので詳しくは旅行代理店で。

大理へは:昆明からボルボ社製の高速バスが5時間で結んでいる。飛行機は昆明から1日2便就航している。

Text and Photo: Tomohiro Okada From Cool States Communications Laboratories.

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