ピエロ・デソポ

PEOPLEText: Mayumi Kaneko

イタリアについてお聞きしたいと思います。何か興味深い動きはありますか?

ウェブに対するアプローチの遅れが、イタリアの大きな問題だとは思いません。イタリアには、ウェブカルチャーが全く存在しないということが問題なのだと思います。

まず一つに、コミュニケーションエージェンシーが、ウェブをデザインやウェブサイトの見た目などを全く考慮せずに、単なる金儲けの手段と考えていること。もう一つには、ニュースを提供する人達(デザイナー)が、ウェブデザインについて良く知らないということがあります。クライアントの多くは、インターネットの使い方を知らないので、ほとんどの人達にとっては、くだらないものが良いもとされてしまうのです。

そういったことを変えようとしているデザイナーも中にはいて、彼等はイタリアのシーンを新しい次元へ変えようとしています。全ては、ミルコ・パスカリーニや、ニコラ・ストゥンポアンドレア・トニオロや、その他、日々成長し続けている人達のおかげです。

イタリアでの一般的なインターネット環境はどのようなものですか?

回線事情はまだ良くありません。去年、ウェブブームが巻き起こり、多くの人がウェブサービスについて知るようになりましたが、それも携帯電話のトレンドのようなものですね。

イタリアで活動することについてどう考えていますか?

現在は、有名ではないけれど僕に多くのものを与えてくれる素晴らしいデザイナーを探しているところです。
もし、インターネットカルチャーが今後何年間もこのままの状態なのだとすれば、イタリアを出て海外の素晴らしいカンパニーで仕事をしてみたいと思っています。

日本についてはどう思いますか?

残念ながら、日本についてはほとんど知りません。日本についての知識は、ロラン・バルトの本から得たものが全てです。1900年代初頭にマティスなどのアーティストにインスピレーションを与えた日本の古い絵画について教えてくれました。

今興味のあることは何ですか?

もっといろいろなことを学びたいです。今は、オーディオと画像を使った実験に取り組んでいます。また、PHOENIXART ウェブサイトのスムーズ&ラフバージョンのように、異なるものの間に均衡を見つけだすというリサーチには、常に興味があります。相反するものに惹かれるのです。

最後に、今後の予定や、これからやっていきたいことなどを教えてください。

素晴らしいデザインエージェンシーで仕事をし、素晴らしいデザイナーと、ただ美しいウェブサイトを作るだけではなく、過激で実験的なことをやってみたいです。
また、僕の考え方を広げてくれるその他のデザイン/マルチメディア分野や、僕にインスピレーションを与えるもの全てを見つけ出したいです。
デザインは、人間にとって刺激的なものですが、その刺激を保ち続けるためには、僕達皆が固く誓い合うことが必要なのだと思います。

Piero Desopo
住所:Via Nazionale, 21940065 Livergnano, Pianoro, Italy
TEL:+39 (0)51 77 8705
piero@phoenixart.com
https://www.phoenixart.com

Text: Mayumi Kaneko

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