ロジャック

PLACE


大量のパイナップル、きゅうり、カブ、揚げパン、エビペーストに漬けこんだ揚げ豆腐、豆もやし、クラゲにチリソースをブレンドした特製ソースと炒ったピーナッツをトッピング。ピリっとした香りと強烈な味わい、一口ごとに新鮮さを感じる。これがシンガポールのカルチャーをうまく表している。

シンガポールのカルチャーは実に多様だ。歴史のないところから生まれ、イギリスの植民地として発展したシンガポールは、本質的により良い暮らしを求めた移住者達の故郷となっている。中国人、インド人と共に、先住民であるマレー人がその人口の大半を占めている。植民地支配者の存在により様々なカルチャーが絡み合い、この「ROJAK」に集結している。イデオロギーも主たるカルチャーもなく、辿ることのできる遺産もない。

この、島本来のカルチャーに満足することのない ROJAK が、世界中のカルチャーを取り入れ発展してきた。インターネットブームによる急速な経済的発展により、シンガポールを世界中に急速に知らしめることとなり、第2世代のシンガポール人が現在のシーンと関連づけることを困難にするほどまでに、カルチャーシーンを変化させている。第3、第4世代のシンガポール人は一方で、世界からの影響により曖昧となった血筋を独自に処理し、独特で新しいROJAKを生み出そうとしている。

ROJAK とスシ、 エスカルゴが同じダイニングテーブルに登場する国が他にあるだろうか?
現在のシンガポール人のライフスタイルは、料理からファッションに至るまで、数多くのカルチャーを取り巻いている。若者達はファッションで日本に匹敵するようなものを取り入れ、英語、中国語、マレー語と方言をミックスした言語、SINGLISHを話す。歌手達は、西洋の音楽を中国語に変換した音楽を聞いて育つ。かつて伝統によって存在していた境界線は、今やバックグラウンドの中に消えつつあるのだ。

かつて僕は、この ROJAK のために僕のアートが国際的なレベルで生き残れないと言ったことがある。だがそれについて今一度考えてみると、この多様性がひとつに融合された境界線のない表現が、シンガポールのカルチャーを独特なものにしているのが分かる。

ROJAK は、 新しいレシピを獲得しつつある。政府のサポートから地元の雑誌やテレビ番組まで最近のトレンドを見ると、この ROJAK は別の料理へと変化しつつあるようだ。それは、時が経つにつれて甘く香り高くなるシチューのようなものかもしれない。僕はスプーンを手に、いつでも食べる準備ができている。

Text and Photo: Fann ZJ From npsea Enterprise
Translation: Mayumi Kaneko

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