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ミリア 2001

HAPPENINGText: Tomohiro Okada

一方で、コンテンツを提供する側はどうだろう。スコットランドをベースにするデジタル・ブリッジスは、携帯電話上でのゲーム・コンテンツ配信をサポートする企業。WAPそしてi-mode(予定)上で安定したゲーム・コンテンツ配信を実現するための技術およびインフラストラクチャーのサポートとプロダクションやクリエーターに対する配信のための支援を資金を含めあらゆるかたちでサポートする会社。

日本だったら、相手の腹を探るような話になるのだろうが、彼らは自分たちが抱えているプランを饒舌に語りながら、その可能性を話し相手の言葉から引き出そうとしたり、パートナーとなるべき相手を探し引き込もうとするのである。彼らが今語るウリのサンプルは、WAP上でペットを飼い世話し、育てると言うものだが、決してポストペットロボロボ(サイバードの)のパクリではなく、自然に考え出してかたちにしたもの。しかし、このようなオープンで「まだまだ」なカンバセーションによって、そういうものが既にあることが分かったり、じゃあ、どうしたらいいのかということがより一層、相手から引き出されてきたりするのだ。

デジタルテレビ放送はどうだろうか。ユニバーサルを吸収してしまったフランスの巨大メディア企業グループ・ビバンディ。そのビバンディ・ユニバーサルのCEO兼会長であるジャン‐マリー・メージャーは、長年にわたりフランス国内に深く浸透している有料放送局・カナル+という強固な基盤を背景に、今年中にカナル+のデジタル衛星放送にハードディスク・レコーダー搭載の次世代セットアップボックスを用いたセミ・オンデマンドとインタラクティブ放送を開始すると発表した。ハードディスク・レコーダーとは、圧縮した映像情報をハードディスクに蓄積してそれを見るというもの。デジタル圧縮の発達によって、リアルタイムで視聴している以上の映像情報が知らない間に蓄積され、それを好きな時に引き出せるようになるのだ。これをカナル+では、事前に映画などのコンテンツをハードディスクに送り込み、支払い程度にあわせて事前にロックしてあったキーを外して見ることができるようにするというかたちでまず使う予定である。

日本でもインタラクティブな機能を盛り込んだデジタルBS放送が昨年より開始されたが、ヨーロッパでも他にも英国のスカイTVでインタラクティブなデジタル放送が開始されている。ここで始まったサービスや見せ方以上のことが「まだまだ」できるに違いない。そのアイディアをそれぞれの放送局は求めるために耳を傾け、「まだまだ」あるよとソフトハウスやプロダクションが売り込む提案合戦がヨーロッパでは自然に繰り広げられている。

その売込みが活発なのが、デジタルテレビ放送をインタラクティブ化するためのオーサリングツールやセットアップボックスの中での操作機能を提供するソフトウエア企業たち。放送方式が規格化され、そこで流される圧縮伸張方式も固まってきた中で、それをどう見せて行くかはソフトウエアが担って行くという、乱暴に言えばパソコンでいえばウインドウズかマッキントッシュなのかというようなこととそのバージョンがいくつかということがデジタルテレビを見る中で起こって行くのだ。スカイTVのデジタル放送をインタラクティブに見て使いこなすためにセットアップボックスに搭載されたオープンTV 。カナル+のデジタル放送を制作するためのオーサリングツールに採用された idp、ここでのオーサリングツールとはプレミアみたいなデジタル映像編集のためのソフトというよりもドリームウエーバーや GoLive みたいなインタラクションを与える機能まで作り込むということ。これらは動き始めた大手のTVサービスにまず採用されたのは序の口で、これから世界中に広大にある未開拓なセットアップボックスの中身とインタラクティブなTVコンテンツ制作・送出の現場を抑えようと躍起なのだ。

じゃあ、ブロードバンド・インターネットやデジタル放送、そして携帯電話に向けた、コンテンツの作り手たちはどうだろうか?

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