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ビット・ジェネレーション 2000 テレビゲーム展

HAPPENINGText: Chibashi

展示の全体は、実物のテレビゲームやそれを取り巻く歴史や用語、人物や制作過程、様々なハードやインターフェースなど、全く昨日までゲームのことを気にかけなかった人にも、ゲームがどのような世界をもって進化してきたのかが分かるような内容となっている。

何より遊びながら観ることのできる展覧会としては類い希な展示ではないだろうか。テレビゲームの音が鳴り響き、お父さんと子どもが一緒にゲームに夢中になっているのを美術館で見かける気分は、ちょと不思議で愉快な気分にさせられる。今までの難解なコンテクストを読みとりながら、謎解きのように進んでいかなくてはならない現代美術の展覧会とは全く違って、美術館という空間がちょっと身近になったような印象を受けた。

昨年も今年も、「世紀末」という社会的な期待から、「20世紀のまとめ」や「21世紀への展望」が 込められた意欲的な展覧会が多かった。昨年の年末年始には、同じ水戸芸術館で「東京ゼロ年」という展覧会が開かれた。この時は 2000年(0年)迎えるにあたって、これまでの現代美術のコンテクストを一回リセットしようという試みが行われた。そして今年、 つまり21世紀を迎える展覧会としての「ビットジェネレーション」は、アートの文脈とは違う、そして非常に強力なカルチャーであるテレビゲームに焦点を当てて、リセット後のカルチャーに対して一石を投じているのではなかろうか。SHIFTの読者層を多く占めているのも、まさに「ビットジェネレーション」な世代だろう。

この展覧会は「テレビゲーム」を美術館に送り込むことで、21世紀のクリエイションを僕たちの世代、そしてこれからの世代が手探りで捜していくためのヒントを与えてくれたのではなかろうか? もちろん21世紀はまだ白紙である。

BIT GENERATION 2000 テレビゲーム展
会期:2000年10月28日~2001年1月28日
時間:9:30〜18:30(月曜日休廊)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1丁目6−8
TEL:029 227 8120
https://www.tvgame-museum.com

Text: Chibashi
Photos: Chibashi

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