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トモ・タメンパ

PEOPLEText: Julien Villaret

NEEDでのパートナーと、マインドワークス について教えてください。

NEEDは、当初3年間、僕の個人的なプロジェクトとしてやっていました。今年に入って、全てのものが再構築され、実質上の理由のため、今年設立したカンパニー・マインドワークスが、NEEDのプロダクションとなっています。データベースデザインに関しては、プログラマーであるトム・ニエミの絶大な協力を得て、物質的なインスタレーションに関しては、僕の父であるセッポ・タメンパと共に制作しています。コンセプトに関しては、僕の仲間であり、メディアアーティストであるハイディ・チッカのサポートを得ています。それ以外は、最初のコンセプトからフラッシュスクリプトのバグ修正やインスタレーションの組み立てに至るまで、全て自分自身で制作しています。

マインドワークスは、フィンランドのヘルシンキを拠点とするデジタルデザイン・プロダクションです。バルセロナにもオフィスがあり、現在、中央ヨーロッパでのプロジェクトを開始する段階にあります。ストリーミングメディアに焦点をあてた、ニューメディア・プロダクションです。最近では、3Gモバイルインターフェイスの仕事もスタートしました。12人を超える様々な才能を持ったスタッフと、メディアのプロの巨大なネットワークを擁しています。

マルチメディア/グラフィックに関するフィンランド人特有の特質は何かありますか?

フィンランドには、マルチメディアの発展をも反映する技術革新の長い歴史があります。残念ながら、そのことがテクノロジーに左右される社会を作り上げることになってしまった訳ですが、それを妨げるものとして、クリエイティブな人達が、最新のテクノロジーを使って自己満足的なものを制作するのではなく、ストーリーを伝えるという観点から意味のあるコンテンツを制作し、面白いプロジェクトを展開しています。

僕が思うに、フィンランドのビジュアルコミュニケーションは、ヨーロッパの平均的なレベルにあると思います。デザインの中にも、フィンランド人のルーツを取り入れて行くべきだと思います。カルチャーに関して言えば、フィンランドは、ヨーロッパの中でも極めて独特なカルチャーを持っていると言えます。

作品の美学的な部分に関して影響を受けたものは何ですか?

NEEDプロジェクトでは、アメリカのTVショップと日本のインフォメーショングラフィックなどに影響を受け、強烈でシンプルなグラフィックを制作しています。一般的に、トレンドとスタイルを、コミュニケーションとディベートのための道具として捉えています。見るもの全てをサンプリングし、コピーし、リサイクルします。メッセージに焦点を置くことでうまくいくものもありますが、自己参照のような感じになってしまうものもあり、大抵はつまらないものになってしまいます。

最近の活動と、今後予定しているプロジェクトについて教えてください。

『ニューメディア産業において、クオリティーと意義を守るという使命を遂行する。』このフレーズは、Tシャツにでもプリントすべきですね。しばらくは、NEEDプロジェクトを続け、その一方で、自分達の専門的技術を国際的なマーケットへ輸出するという課題に取り組んでいく予定です。

また、NEEDの外側で起こっていることに目を向けるためにもリサーチを続け、僕の永年の夢のひとつでもある来日を、11月の後半に実現できる予定です。マインドワークスで僕達の活動をチェックしてみてください。僕は、殆ど全てのプロジェクトに関わっています。

今回のコンチネント展のようなプロジェクトでの目的は何ですか?

急速に広がりつつある情報社会において、クリエイティブな人達が新しいテクノロジーをひとつの道具として使う様を発表できるというのは、非常に重要なことです。こういった展覧会やワークショップは、「コマーシャルワーク」という制限なしに体験することのできる、極めて珍しいフォーラムです。

Text: Julien Villaret
Translation: Mayumi Kaneko

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