「ビューティ」展

HAPPENINGText: Julien Villaret

展覧会の第2のパートは、「美」をおおまかに表現した宮殿の真横のロシェ・デ・ドム公園で行われた。そこでは、自然の要素や物体が美的性質と共に表現されていた。

ミステリアスで興味深かったのは、「ミズクラゲ」。真っ暗な中に置かれた水槽の中で優雅に泳ぐ小さなクラゲや、鉱石、奇妙な形の虫などが進化していく様を表現していた。


© Michel Boulard

第3のパートは、今回の展覧会のために修復された電気工場「TRANSFO」で行われ、ニューテクノロジーや現在のファッション、音楽、ビデオなどの動向に熱心なアーティストが集結。楽しくカジュアルで、まるで「デジャヴ」のような感じを与え、僕的には今回の展覧会で最高のパートだったように思う。

来場者は、各展覧会場で目新しく斬新なスペースを発見する。フランソワ・ロシュによって作られた入場門は、何千ものミネラルウォーターのボトルで構成され、タンクローリーのような感じになっていた。


François Roche

この巨大な作品が置かれた場所の側では、巨大なビルディング群とグラフィティ作品が設置された。各ビル内では、写真、ビデオ、ファッション、マルチメディアなど、それぞれの分野に分かれて展開されていた。一つ目のビルでは、フランク・スカルティによるフィルム作品を上映。そのひとつ、「シカゴ・フリッパー」(1997)では、自分がシカゴの街を暴れまわるピンボールになったかのような感覚を体験することができた。激しいカメラワークピンボールマシンのノイズが印象的だった。


Franck Scurti, Chicago Flipper, 1997, Digital video, Duration: 7 min.

スティーブ・マックイーンの「ドラムロール」(1998)は、ニューヨークで撮影されたもの。樽に3台のカメラ(両側に一台づつ、真ん中に一台)を設置し、樽を転がして街中を撮影。水平に並べられた 3台のスクリーンを見て 5分もたたないうちに、気持ちが悪くなってしまった。上の階では、 5人のヨーロッパの写真家が撮影した日本の田舎の風景が展示されていた。ヨーロッパにはない文化や美学を見せてくれた作品だった。

ビルを出ると、「インベーダー・モザイク」という作品の正面に自分がいるということに気付いた。フランス人アーティストによるこの作品では、有名なテレビゲーム「スペース・インベーダー」をテーマにフランス中をインベーダーゲームのアイコンで埋めつくしていた。

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