エリック・ソウ

PEOPLEText: Calvin Ho

「SO FUN」のコンセプトは、 ある意味個人的で、マンガ的であると同時に、彼自身の個人的なものに由来する。香港に限らず、世界中のアーティストとコラボレートし、彼自身のメッセージを他アーティストのものと結び付け、探求するプロジェクト。エリックは、こう説明する。

『「SO FUN」は、 カップルのコンセプト。実際にカップルがモデルとなり、変動的なものを使い、一般的な骨組みを作り上げていきます。コンセプトはシンプルで、境界線、領域、宗教、人種、差別、階級、先入観、押し付けのブランド、政治、タイムフレームを取り払うこと。その結論として、「世界はひとつ」というコンセプトが生まれます。』

彼が言うように、彼の哲学的な解釈はブルース・リーのそれと非常に似ている。

『様々なアイデンティティやコンセプトを持った人達と一緒に作業する時、そのカップルは、それらアイディアを一つにする骨組となり得るのです。限界はありません。 SSURと仕事をした時に彼らがニューヨークを表現したように、僕は香港を表現します。それによって、コンセプトの両方の面が一つになり、お互いにとって平等に心地よく仕事をすることができるのです。アトミックマガジンの「LOVEプロジェクト」に提供する作品では、一般的なフィギュアの色とスタイリングを変えることによって僕なりの「LOVE」の解釈を表現しています。このカップルのストーリーは「LOVE」を表面的な物の見方を超越したものとして表現しています。男のフィギュアは、よくある香港の労働者で、女は逆に、非常に今風で洗練された格好をしています。男がシンプルな服を着ているのに対して、女はグッチやプラダが好きなタイプ。全く似合わない二人に見えるかもしれませんが、彼らはちゃんと繋がっているのです。たとえアイデンティティは違っても、お互いに対する愛があります。カップルとして結びついているのです。 これが、「SO FUN」のコンセプトです。』

エリックは、他人とは違った物の見方で未来を見つめている。最初はコミックの世界から入った彼だが、今では「僕には少し違った」と認めている。だが、スタイルを進化させようという熱心なスピリットとビジョンを持ち、ペインティングや彫刻など様々なメディアで活動し続け、そのどれにおいても成功を収めている。彼のフィギュアがアジアの子供達の間で大流行しているが、彼は、フィギュア制作のみで見られることを望んではいない。『僕の全作品に込められたメッセージは、香港カルチャーの僕なりの解釈なのです。』

Text: Calvin Ho
Translation: Mayumi Kaneko

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