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今井トゥーンズ

PEOPLEText: Taketo Oguchi

今井さんの作品には、臨場感やスピード感がありますが、コンセプトや作品を制作する上で心掛けていることがありましたら聞かせてください。また、アイディアやインスピレーションは、主にどこから受けますか?

たぶん臨場感やスピード感といったものは、あまりラフの段階でイメージを決めつけない作業の過程と、自分の好みがそういった疾走感に集約されているからでしょう。心掛けていることは自分と相手の境界線を感じながらギリギリまで寄っていける親愛と、突き放して驚愕されるほどの感動をいつも一つの作品に織り込ませようとしています。なかなかうまくはいきませんが。

一つの作品を仕上げるまでの過程について教えてください。通常作品を制作するのにどのくらいかかりますか?

イラストを例にとれば、イメージラフを鉛筆で描き、ペンで線画として仕上げる。それをスキャニングし、MACで着彩します。時間は30分でできるものもあれば3日かかるものもあります。

今回、SHIFTのカバーデザインを制作していただいたのですが、何をイメージしたのですか?

「SPIDEAD」シリーズの主人公のキャラクターを使いました。「SPIDEAD」とは「SPIRITUAL DEAD」を略したものです。
2000年ということで、肉体が滅んでも、精神が死ぬようなことがあって全てが無になってもまた始めればいい。そこに存在した「ぬくもり」さえあればまた始められる。新しい世界にはばたく前の希望ある終焉といったところでしょうか。

2000年初めに札幌で開催される展覧会について教えてください。どんな内容になりそうですか?

「WEARS⇔WEAPONS」という題名で行います。過剰なファッションで身を包み自己を有無をいわさず正当化させる行為と、護身用にもかかわらず日に日に過多に進歩する武器を購入し身につけ威嚇する行為は似ている。それは人間が弱い部分を補うための行為であると同時に弱さを誇示していることでもある。そういうジレンマの様なものを表現した作品の新作4点と、「攻撃する服」という別のベクトルで作ったサイクリングシャツが展示されます。それから今までの仕事の作品も展示します。

今興味のあることは何ですか?最後に今後の予定や、やってみたいことなどについて教えてください。

広いジャンルに渡って表現できる自分のアウトプットを沢山持つために努力すること。
漫画を描きたいと思っている。脳味噌の壁面にコビリ着いている長年のイメージの断片を早く形にしてすっきりさせたい。それから「WEARS⇔WEAPONS」のブランドで服をつくってみたいです。


今井トゥーンズ

Text: Taketo Oguchi

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