NIKE 公式オンラインストア

スティーブ・エトウ

PEOPLEText: Kyota Hamaya

型どりしたモデルがネットで公開されていますが、大変そうですね。

大変は大変でしたね。やっている間は、僕のテンションが下がると周りも気を使うし、そうすると僕も辛くなるんで、やっている間は自分をハイに持っていて、イェーとか言いながら、やっているんだけど、次の日が言い知れぬ脱力感で動けなかったですね。10時間かかりましたからね。いっぺんに取れるわけじゃないんで、立った形でまず左足取って、右足取って身体取って、頭取って、みたいなバラバラに取っていったんで。

もう一回やってくれと言われたら?

多分やると思いますね(笑)。型抜き自体もこれで2回目なんで。その前はね、グラフィックデザイナーの人が最近型どりにはまっているんだ手伝ってくんないって言って、その時は頭だけだったけど。頭と手ぐらいだったかな?その時も鼻にストロー刺して。一回練習はしてたんです。嫌じゃないんで。疲れるけれど。

自分の魂の入っていないコピーを見るのは不思議じゃなかったですか?

不思議でしたね。ただ、顔とか鏡でしょっちゅう見ているし、細かいところもよく知っていますから、そういう所は樹脂の重さで垂れちゃうんで、少し老けているかなって。身体とか肋とか、秋冬もののショーだったんで、顔と手だけでいいのに全身取ったんですよ。この脇腹の感じは知っている!って。手首の細さとかそっくりじゃんって。

表現という部分ではモデルも音楽と差はないですか?

もちろん音楽、楽器を前にするのが楽ですよね。慣れていますから。これはもう20年ぐらいやっていますから。気持ち的にはないようにしてますが、まだまだ戸惑うというか、楽器がないとね。

例えばどんな時に戸惑うのですか?

ミュージシャンってギターを持ったり、ドラムのセットの前にいたりしてカッコになるけれど、それを脱がされれるとポンと前に出されたらあんな惨めなもんはないですよ。ミュージシャンなんて。

今後やってみたい事とかありますか?

色々あるんですが、ミュージシャンなら今度はどんなCDをという風になるんですが、僕の場合、音を作る自体が目的になっていないんですよ。今回もCDを出したんですが、これは自分がライブをやるための音ネタができたなっていう感じなんですよ。あれをどういう風にライブでやっていくかというのをしばらくは考えながらやっていこうかなって。今もビデオを作って、一緒にやるというのをやってますが、まだちょっと上手くビデオと絡むまでいっていないんで、もうちょっとビデオを物語的な、例えばローリー・アンダーソンであるとか、グレイス・ジョーンズのようになれて、しかも笑いもあると一番いいかなって思ってます。

Text: Kyota Hamaya

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE