シュー・リー・チェン
PEOPLEText: Mariko Takei
まだ続いているプロジェクトなんですよね?
ええ。Waag と関わりがあったこともあって、このスペース(DeWaag, Theatrum Anatomicum) は劇場のような場所で、囚人の死体を解剖したり、研究したりしていたところなんです。それでこの劇場のような場所を使ったら面白いなと思いました。ある意味で私たち自身や社会組織を解剖するみたいな感じでね。
ウエブサイトにも沢山の身体の断片のイメージがありますよね。いくつかのインターネット・インスタレーションでも、人間というようなテーマがみられると思います。テクノロジーと人間の関わりなど、クロスオーバーするというようなことに興味があるのかなと。
前途したように、私はありふれた方法でテクノロジーを使ってます。実際にアーティスト・グループがインターネットやコミュニケーション構造の全体を研究しているネットワークがありますが、私自身は物語風アイディアをネットを使って表現することに興味があるのです。人々がテクノロジーを近くに感じれるアクセスってことですよね。
インスタレーションという意味では、わたしの多くの作品のインターフェイスは全てありふれたモノだったりするんです。例えば NTT ICC のプロジェクトの「Buy One Get One」では日の丸弁当箱なんです。ブランドンでは美術館に大きなビデオの壁があって、それが実際のスペースに展示してるみたいなインターフェスだったり。プロジェクトにより異なりますけどね。
ちょうどアムステルダムにバケーションで行ってたんですよね。Waagで仕事していると聞いたのですが、アムステルダムについてお話ししてください。
何年か前に初めてアムステルダムに行ったのですが、新旧メディア研究所というところを発見したんですね。そこは先ほど話した劇場のあるお城なんです。そこには(ブランドンのフライヤーを示しながら)身体解剖の絵があって、実際に建物を使って絵が描かれているんです。これにすごく打たれてしまって。
いつもアムステルダムに行くと感じるのですが、アムステルダムは本当にインターネット・テクノロジーの発展した都市ですね。新旧メディア研究所はコマーシャルなことも行っているのですが、政策構成や、構造、教育、実験などに基づくことも行ってます。特にインターネット・テクノロジー、インターネットが人がアクセスしやすいテクノロジーでなければ、ということを考えているんです。だからすごくオープンなんですね。もちろん私のバック・グラウンドに関係しますが、私にとってすごく魅力的なところです。デザイナーやプログラマーのいるラボがあって、みんなそこで仕事をしていてね。アムステルダムは進んだ街ですね。
「xs4all」があって、初めてデジタル・シティってものが作られた場でもあるんですが、1993、1994年のことだと思います。デジタル・シティというアイディアのもとで、インフォメーションが得られるんです。そういう意味でもアムステルダムはすごく発展してると思います。公衆電話もスクリーン付きでインターネット接続が可能なんですからね。
「xs4all」はフリー・インターネットサービス・プロバイダーなんですよね?ほかに「Steim」についてはどうですか?
そうですね、「xs4all」はデジタル・シティや「DDS」を収容しているサービス・プロバイダーです。いろんなことが繋がっているんですよ、アムステルダムは小さな都市ですからね。いくつもの組織が繋がり合っていて、時には合同で仕事をしたり。「Steim」はサウンド・テクノロジーを実験的に行っているところですね。仕事をしたことがないのでわからないですが、アーティストの研修みたいなこともやってるみたいです。
アムステルダムでは今年、沢山のウエブ(インターネット)TV・ブロードキャストやネット・ラジオ放送などがあるようです。アムステルダムでのテクノロジーに対する民間のアクセスのしやすさは、政府のサポートがあってということもありますよね。だからテクノロジーがポピュラーになりえるわけです。
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